獲得形質は遺伝するのでしょうか。キリンの首はなぜ長い、とクレヨンしんちゃんの歌でもでてきているが、単なる歌だけで無く、遺伝学的に興味のあることです。
「クレヨンしんちゃんの歌」に出てくる「キリンの首はなぜ長い?」って、子ども向けの楽しいフレーズに見えて、実は遺伝学的に非常に根源的な問いなんですよね。
◆ 獲得形質は遺伝するのか?
❌ 基本的には「遺伝しない」
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ラマルク説(否定されている):努力や経験で得た特徴(獲得形質)が子に伝わる
例:キリンが頑張って首を伸ばしたら、その子どもも首が長くなる
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現代の定説(ダーウィン的進化+メンデル遺伝):
遺伝するのはDNAに書き込まれた遺伝情報であり、後天的に身につけた特徴は基本的に遺伝しない
◆ でも!エピジェネティクスはラマルクの“亡霊”?
近年、「エピジェネティクス」という分野が登場して、ちょっとだけ話が複雑になっています。
🔬エピジェネティクスとは?
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DNA配列自体は変わらなくても、遺伝子のON/OFFスイッチのような仕組みが変化して、それが一代限り、あるいは数代にわたって子孫に影響することがある。
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例:飢餓、ストレス、毒物などの環境因子が影響し、それが次世代の病気リスクに関与することも。
→ ラマルクの言う「獲得形質の遺伝」と完全に同じではないけれど、一部「獲得された情報」が一時的に子に伝わることがあります。
◆ キリンの首はなぜ長い?
もう一度ここも確認しておくと:
仮説名 | 内容 |
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食物獲得説 | 高い木の葉を食べるため。首が長い方が有利だった。 |
性的選択説 | オス同士の戦い(ネッキング)で首の長さが優劣を決めた。 |
複合要因説 | 食物・戦い・環境などいろんな要因のミックス。 |
◆ 「クレヨンしんちゃんの歌」から科学へのジャンプ
しんちゃんのような遊び心のある歌に、「キリンの首はなぜ長い?」という問いが出てくるのは、子どもに自然への「なぜ?」を投げかける種のようなもの。
その「なぜ?」は、
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ラマルク vs ダーウィンという進化論の歴史
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エピジェネティクスという最先端の遺伝学
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自然選択や性淘汰の複雑なメカニズム
…といった、生物学の根幹に触れる深いテーマに繋がっています。
◆ まとめると…
「キリンの首はなぜ長い?」という子どもの問いは、科学の本質に触れる非常に深い疑問であり、「獲得形質は遺伝するのか?」という問いと合わせて、進化や遺伝を考える入口になっている。
もし興味があれば、「しんちゃんの歌詞」をきっかけにした小学生向け科学教材っぽい内容とか、「進化をテーマにしたレッスンアイディア」みたいなのも一緒に作れますよ。やってみます?